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zoom RSS 具体的なタスクを通して、作法を学ばせる(探究活動)

<<   作成日時 : 2018/12/17 08:35   >>

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探究活動や課題研究の成果発表会を拝見していると、興味を掘り下げ、リサーチクエスチョンを立て、答えを導いたのちに自分の生き方・あり方まで踏み込めているものもあれば、先行研究を拾い上げ、繋ぎ合わせただけのものも見られます。

どうしてここまでの差が生じるのかをしっかり考察することが、次期学習指導要領で始動する「総合的な探究の時間」を有意なものにするカギだと思います。


❏ 具体的なタスクと他領域での指導との重なりの利用

取り組み方や研究成果に違いを生んでいるのは、個々の生徒の資質や意欲の差であると片づけることもできるでしょうが、それでは指導者として関われるところはない、ということになってしまいます。

"探究活動の作法"を学ぶ機会は整っているかは、教える側がつねに点検を怠らないようにした上で、活動を通して必ずクリアしなければならないタスクを設けておくことも必要だと思います。

例えば、生徒が書き上げた論文を見ると、参考文献にhttp://で始まる、内容が検証されたかどうかも怪しいソースだけが並んでいることも少なくありません。

こんな事態を避けるには、CiNiiなどの論文情報検索サービスを使うことを先行文献参照フェイズでの必須のタスクとするのも好適です。

但し、このタスクを既存のプログラムに足し算で加えるのでは、プログラム全体が膨らんでしまい、負担が過剰になるとともに指導時間の枠に収まらなくなります。

探究活動ではなく、進路指導の中で学部・学科調べに、学問探究という入り口も設けておき、重ね合わせをうまく使うようにしたいものです。


❏ 複数の先行研究にあたり、結論や実験方法を比較する

また、様々な先行研究に当たれば、同じリサーチクエスチョンに異なる答えを導いているものに触れることも少なくないはずです。

同じテーマについて複数の先行研究にあたり、それぞれが導いた結論やその検証方法などを比較・整理してみることをタスクとするのも生徒の探究スキル向上に効果的です。

全く異なる結論を導いた2つの研究を比べてみれば、
  • サンプル数が少ない
  • 統計的基準を満たしていない
  • 実験方法がでたらめ
  • 仮説ありきで検証方法が恣意的
といった、誤謬に繋がる危険要素がどこにあるかを実地で学ぶチャンスがありそうです。

様々な論文に当たれば、そこに言及された参考文献や別の研究結果にも触れられますので、さらに広い視野でリサーチクエスチョンを設定し直したり、新たな気持ちでそれに向き合えるのではないでしょうか。


❏ 近いテーマで研究を行う生徒で先行研究の情報交換

学年全体で探究活動を行っていれば、似たようなテーマに取り組む生徒は少なくありません。

そうした生徒を、どこかのタイミングで集めて、それぞれが調べた先行研究についての情報交換をさせてみるのも有益と思われます。

それまでに自分で当たった先行研究について、それらがどんなリサーチクエスチョンを立て、どんな結論を導き、どのように実験を行ったかなどを、簡単なプレゼンテーションにまとめさせてみましょう。

場さえ作れば、クリアすべきタスクは自ずと用意されますので、飛ばしてはいけないステップをしっかり踏ませることができます。

それぞれが調べたことを互いに互いが相乗りすれば、探究の入り口で立ち止まることも減るはずです。

同時に、その先の研究をどう進めていくかの展望を発表させ、生徒同士で互いに質問させても面白いように思います。


❏ 中間発表の場では、互いへの質問を仕上げさせる

プレゼンテーション力より質問力でも書きましたが、発表を聴いて質問をすること、他人からの質問に答えることはとても大事です。

しかしながら、ぶっつけ本番の成果発表会では、なかなか質問がまとまらなかったり、発言そのものが会場から生まれなかったりします。

発表会は大人数に過ぎることも原因の一つかもしれませんが、発表を聴いてから質問をまとめるまでの時間が足りないことも解消すべき問題点だと思います。

如上の、同じようなテーマに取り組んでいる生徒を再び集めて、そこまでの成果を発表する機会を作りましょう。

少人数ですので、質疑応答は多少なりともやりやすくなります。

また、その場で質問が仕上がらない生徒には、期限を設けて「質問を作る」というタスクを宿題として持ち帰らせましょう。タスクをクリアすることでしか学べないものがあるはずです。

教科学習指導でも、質問を引き出すことを常としておけば、ここでのタスクにも生徒はレディネスを整えて臨めるはずです。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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探究活動、課題研究
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