考査の結果から自分の授業を振り返る

いよいよ年の瀬も迫り、期末試験の答案返却から終業式へと続く慌ただしい日々も終わりほっと一息つかれている頃かと思いますが、一年間を総括するためにも、生徒の答案を思い浮かべつつ、考査の結果からご自身の授業を振り返ってみるのは如何でしょうか。

力を入れて指導してきたことと、その成果を試すために考査に組み込んだ設問があったかと思います。その設問の正答率は予想と比べていかほどだったでしょうか。また、どんな誤答が観察できたでしょうか。


❏ 生徒の答案は指導の効果を写す鏡

定期考査は、生徒にとってそれまでの学びの成果を試す機会ですが、先生方にとっても指導の成果を検証するための極めて重要な材料です。

多くの生徒が不正解に終わった問題は、学ばせ方に問題があったはずですし、頻出した誤答は指導に改めるべき点があったことを示唆します。

教えたことをそのまま覚えて答案上に再現することを求める設問では、生徒の勤勉さしか測れませんが、学んだことをもとに解を導くべき問いであれば、指導を通じてどれだけコンピテンシーを高められたか検証ができるはずです。

ご自身が出題した定期考査を振り返って、前者タイプの設問と後者タイプの問いがどのような割合であったかも改めて点検してみる必要があると思います。

 ■ 考査問題で何をどう測るか


❏ 可能ならば、答案のコピーも残しておく

実施済みの考査答案を管理するのは面倒かもしれませんが、指導改善に向けた貴重な判断材料となってくれるのも事実です。

全ての問題について、誤答分析をするのは時間的にも無理でしょうが、冒頭に書いたように、力を入れて指導してきたことの成果を図ろうとした設問には、じっくりと目を通すべきだと考えます。

答案返却を済ませるまでは時間に追われるのが普通ですから、じっくりと答案をめくりながら来年度の指導を考える余裕はないはずです。

だからこそ、コピーやPDFにして残しておきたいもの。紙では保管する場所やその方法の問題もありますので、電子データでの保存がお奨めです。

職員室にオートシートフィーダーつきの複合機があれば、スキャンしてPDFにしておくのはそれほど時間のかかる作業ではありません。


❏ 考査答案に加えて、レポートやポートフォリオのログも

指導が所期の成果を得たかどうかは、生徒が残した成果物に照らして検証するのが一番です。

考査答案だけでなく、授業中に提出させたレポートや小論文などについても、データに残しておき、ひとまとまりの指導期間(年度や学期)が終わったときに振り返ることが有用なことだと思います。

記録さえ残っていれば、次年度以降に同じ単元を教えるときに、ざっと目を通して指導上の注意点を確認したり、方針の再策定を試みたりすることで、指導は継続的な改善を図れます。

新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)で触れた通り、電子ポートフォリオも導入が進み、様々な場面での活動評価もルーブリックを用いて行われるようになります。

こうした資料をもとに、より良い授業・より良い教育を目指したPDCAを自分の教育活動に組み込めるかどうかは、数年の積み重ねの中で大きな違いを生むのではないでしょうか。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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