新しい学力観の下での授業デザイン(まとめ)

高大接続改革と新学習指導要領で学力観は大きく更新されます。パフォーマンスモデルからコンピテンシーモデルへの転換に耳目を集めるきっかけとなったPISA(OECD生徒の学習到達度調査)も既に7回目の結果が公表されています。そうした中、新しい学力観に沿った学ばせ方、それを具現した授業デザインが求められるようになってきました。

このブログでも折に触れて考えるところを拙稿に起こして参りました。あちらこちらに記事が散らばっていますので、まとめページを作ってみました。お時間の許すときにご高覧をいただければ光栄です。

まずは、ここ最近になって公開/更新した記事です。

  1. PISAが測定する「読解力」
    • 測定する能力に新たに加えられた2項目
    • 新定義にそった学ばせ方への転換は急務
    • 全教科を挙げて取り組む総力戦+探究型学習

  2. ノート持ち込み可の定期考査がもたらすもの
    • 道具の使い方を含めての課題解決力
    • 道具を整え、使いこなすことを目指した日々の学習
    • 答えを作るのに制限時間を設けることにも不自然さ

  3. 新しい道具は、思考法や行動様式も変える
    • 道具の進化によって行動様式は変わるもの
    • 書くことに限らず、知的作業の進め方全般に変化が
    • 問題の解決方法も変わっていく
    • 過渡期ゆえのむずかしさ

  4. 〇〇的な(教科・科目に固有の)考え方、ものの見方
    • メカニズムを理解したら他の例に当てはめてみる
    • 具体例を観察し、そこに働くメカニズムを推測させる
    • 仮説を立てる力、統計リタラシー、ファクトフルネス


学力観が変わったことで見直しが必要になるのは、教室の中での学ばせ方に限りません。授業のデザインが変われば、自ずと授業準備に求めるタスクも変わりますし、復習も「反復で定着」というものから「学びの仕上げ&深め」を主たる目的とするものに変わってきます。

良問と悪問の境界も以前とは違ったものになると考えざるを得ません。当然ながら、指導目標と指導方法が変わったら定期考査の問題もその位置づけから見直していく必要があるはずです。

  1. 新しい学力観にそった授業と家庭学習の再設計
    • コンピテンシーモデルに基づく新タイプの問題
    • 従来型のテスト問題/新しいタイプのテスト問題
    • 入試問題の変容が、指導戦略に変化を迫る
    • 授業デザインと予習・復習の位置づけを見直す

  2. 学力観の変化は良問と悪問の分け方を変える
    • 所与の情報に基づきどこまで考察できたか
    • 記述・論述問題では採点基準こそが命脈
    • 誤肢の作り方にも新たな工夫が求められる
    • 出題研究の成果を授業に活かすときに


こちらは、評価方法と新テストに関連して起こした記事へのリンクをまとめて以前に公開したページです。

  1. 新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)
  2. 大学入学共通テストの試行調査の結果から(まとめ)


忘れてはならないのは、授業評価、学習評価も新しい学力観に沿ったものに更新する必要があることです。正しい効果測定は、新しい学力を養うための最適解を見つけ出すために欠かせません。



追記:「学んだこと」を「できるようになったこと」(=コンピテンシー)に昇華させるには、理解したことを使ってみる機会をきちんと用意し、そこで用意された問いへの答えを仕上げさせることを重ねる必要があります。「教えて理解させたら後は覚えさせれば良い」という指導観は見直しが必要だと思います。習ったことを使ってみる機会単元を跨いで作る、習ったことを使ってみる機会にも、これまで以上に関心を向けた授業デザインが求められます。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一